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  • 靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第105話

今回は、モチベーションに影響を与えるものについて、お話ししたいと思います。

研修においても、モチベーションの話をするときは、先ず、今までにモチベーションがアップした時の事について、グループで話をしていただきます。そうすると、「仕事の成果を誉められた」、「仕事のやり方を誉められた」「重要な仕事を任された」「仕事の意義を感じた」「仕事をやり遂げた」等が挙げられます。例えば、ある会社で車の新しい型の部品を普通の納期の半分で考案するように言われた若手社員が当初は出来ないと言っていたのが、上司から「これは今度、F1に出る車に必要だ」と言われた途端、目を輝かせてその仕事に取り組み、三日三晩ほぼ徹夜に近い状態で仕上げた例などは「仕事の意義を感じた」典型的なケースと言うことが出来るでしょう。

モチベーションの話をするときに欠かせないのが、「自律的意欲付け」と「他律的意欲付け」です。「自律的意欲付け」は「内発的意欲付け」とも言われますが、自ら持っているもので、「肯定的な自己評価」「自己効力感」「指し手意識」「高水準の自己基準を持っている事」等があります。「肯定的な自己評価」としては、達成感等が挙げられ、自ら成果をきちんと評価することで次につなぐものです。「自己効力感」としては、手応え感等が挙げられ、物事を行っている最中に、プロセスやマイルストーン目標の達成度を自ら評価することで、下がってくるモチベーションの維持に繋がるものです。「指し手意識」とは、自らがその業務等において主人公となるものです。「指し手」とは将棋の指し手で「指し手意識」に相対するものとしては「駒意識」があります。「指し手意識」が自ら主人公となり、自分の采配で他人を動かすのに対して、「駒意識」は他人の采配で自分が動かされるものです。最後の「高水準の自己基準を持っている事」は、自らある基準を決めて、それを上回ることで意欲を挙げていくものです。スポーツ選手の記録や技術者の何秒かへのこだわりなどが挙げられると共に、会社の同期入社の社員ができる事を自分も出来ないと悔しがるのは、その一つの表れともいえるでしょう。これらの「自律的意欲付け」は誰しもが持っていますが、様様な環境の為に、それが表面に出てこない場合があります。これは他人から見てだけでなく、自分でも気付かない事があります。セルフモチベーションアップでは、自分の「自律的意欲付け」を見つけ出すことから始める必要があります。

一方で、「他律的意欲付け」は「外発的意欲付け」とも言われ、外から何か影響を与えられることで喚起される意欲付けで、「規則や規定」「人事・報酬制度」「リーダーの指示や期待」「職場内の規範」等があります。「規則や規定」「人事・報酬制度」等をきちんと整備し、それを公正に適用することで他人の行動をコントロールすることができます。また「職場内の規範」はルールとは異なりますが、例えば、常に時間に正確な風土を有している会社は言わなくても、研修開始の5分前には着席していますが、その理由を訊いても「これは当たり前です」と答えられます。つまり、風土を醸成することで他人の行動をコントロールしているのです。これに対して、「リーダーの指示や期待」は、個々の人間が意識的に行う必要があります。相手の気持ちを考え、相手の「自律的意欲付け」を理解することで、それに対して働きかけていくことが必要なのです。但し、これには一つの重要な条件があります。それはその人との間に信頼関係があるかどうかということで、信頼関係が全くない状況で働きかけを行っても、相手はかえって不信感を抱き、逆効果になる事もあります。

それでは、相手と信頼関係を形成する為にはどのようにしたら良いのでしょうか?それについては、次回にお話ししたいと思います。

 

 

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