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AHPコンピテンシーコラム第116話

靖 伊藤

前回は、比較的高いレベルのコンピテンシーを発揮している人たちのコンピテンシーの習得について、お話ししましたが、これは高いレベルのコンピテンシーに限ったことではありません。通常の業務におけるコンピテンシーでも同じことが言えます。前回のお話では、本人自身が強い意志をもってコンピテンシーの習得を行っていますが、これを全ての人ができるとは限りません。やはり、上司や先輩などがそのように仕向けることが大きなカギとなります。

このコンピテンシーの習得を会社全体として行ったのが、以前、お話ししたと思いますが、日本ロッシュが行った出来るMRを一定期間、営業の第一線から外し、MRの教育係に据え、MR全体のレベルアップを図った施策です。この場合、もっとも大事なことはやり方を教えることではありません。大事なのは、何故、そうするのかを本人に考えさせることです。

以前、参加したPMIフェスタで行われた講演でも、リーダーの育成法として、「答えを教えるのではなく、徹底的に考えさせることを心掛けている」と言うことが紹介されました。昨今、学習塾の影響(全ての学習塾とは言いませんが)かもしれませんが、すぐに答えを教えてしまう傾向があります。答えを教える事により、すぐに成果を上げることが可能となることが多いため、それでよしと考えてしまいまいがちが、結局、育成に繋がらないことが多く、長期的にみると、マイナスになっていると考えます。但し、相手に考えさせるためには、こちらに、質問力が求められます。コンピテンシーの育成には、今まで何度もお話ししていますように、指導者の質問力の強化が必要ということになるのです。

 
 
 

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