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  • 靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第120話

私は3年目から管理職にかけての研修を行う事が多いのですが、その時によく感じる事は、自分一人で仕事をする時は非常にうまくスムーズに行う事ができるが、他人を巻き込んで仕事をすると、歯車が狂ってしまう人が意外と多いと言う事です。かく言う、私も過去の社会生活においてそのような経験をたくさんしてきました。自分で仕事をする時には、きちんと段取りを組んで、つまり計画を立てて、その段取りに沿って進め、且つ、その時々における成果を確認して行っていますが、他人を巻き込んで仕事をするとなると、他人はこちらの考えている事を必ずしもきちんとしてくれるわけではなく、その為に自分の想定を超えた局面に出くわす事が多くあります。

社会に出て、暫くの間は自分の仕事を一生懸命にやっていればある程度は評価をされますが、3年目を超えた辺りから、廻りを巻き込んだ仕事をしていく事が求められ、そこで悩む事が多くなります。これは学生時代に成績の良かった人によく見られます。学生時代の勉強においては、自分自身の目標をきちんと定め、それに到達する為のプロセスとマイルストーンにおける成果を設定し、自分が設定したプロセスをきちんとこなしながら成果を確認していくことで目標を達成していく事ができます。しかしながら、この成功体験が故に、他人を巻き込んで仕事をする際も同じようにやっていけるとの錯覚を持ってしまい、実際には他人がそのように動けない事で、場合によっては嫌悪感を持ってしまい、益々、悪循環を繰り返してしまうのです。

これは、他人を巻き込んだ仕事を行っていく為には、個人できちんと段取りを組むだけではその達成は難しい事を占めており、段取り力に加えて、他人をその気にさせる影響力が必要になります。この状況の打開に、プロジェクトマネジメント能力が大きな助けになります。最終成果をきちんと定めてその為に必要な行動を抽出し、それらの行動の依存関係を明確にした計画を作成し、役割分担を決めていくだけではなく、その実行過程において、人の育成やモチベーションの維持をしていく事は、必ずしもプロジェクトマネジャーだけに求められるものではなく、日常の業務においても欠くべからざるものではないのでしょうか?

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