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AHPコンピテンシーコラム第122話

靖 伊藤

今回は前回を受けて、「他者育成力」のコンピテンシーのお話をしたいと思います。

「他者育成力」のコンピテンシーは、「自分の部下や後輩の能力や技術の現状を正確に分析し、それを更に開発、伸長させる為、育成を行う能力」です。管理職が常に意識しなければならない『職場が持つ3つの役割』、即ち、「成果を上げる」、「自分とメンバーを成長させる」、「情動を交わす」のうちの2つ目の役割を果たす為に、重要な役割を果たす能力で、組織を継続させていくために欠かすことのできない能力です。このコンピテンシーのレベル1は「部下や後輩の能力に問題があると気付いたときはそれを指摘し、改善するように指摘しているが、指導・育成につながるようなことは何もしていない。」であり、少し進歩すると、レベル2の「模範行動で部下や後輩の指導・育成を行っている。」レベルとなり、新入社員の指導員になった時に、当然発揮されなければならないものです。この際に、レベル3の「模範行動のみならず、その理由や概念など詳細な説明を本人が納得できる丁寧で詳細な説明によって指導・育成を行っている。」レベルが発揮されると、育成の精度が高くなります。また、会社によっては、指導員になると、模範行動だけではなく、指導する相手の将来像を明確にして、それを達成する為に計画を立てさせ、一定期間が過ぎるとそれをレビューしているケースもあります。これは、レベル4の「本人の今後のキャリア育成の明確な成果イメージとそのプロセスを示し、能力改善のために必要な業務経験を計画的に設定・実施させ、その結果を本人にフィードバックをするなど、計画的・長期的な指導・育成を行っている。」レベルです。最近の新入社員の意識調査では、新入社員の価値観を理解する5つのキーワードとして、「成長」、「貢献」、「絆」、「自分らしさ」、「リセット」が挙げられていますので、計画的・長期的な指導・育成計画が組織的に行われる事が新入社員の価値観に合致する事となると言う事ができますので、指導員や管理職の育成においては、「他者育成力」のレベル4への引き上げが大きなカギになると言えるのではないでしょうか?

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