top of page

AHPコンピテンシーコラム第126話

  • 靖 伊藤
  • 2024年9月12日
  • 読了時間: 2分

今回は調剤薬局に勤務する薬剤師さんのコンピテンシーについて考えてみたいと思います。

以前、調剤薬局の薬剤師さんと言えば、きちんと仕事をしてくれますが、殆ど愛想はなく、少し冷たいイメージを持っていた方が多いかと思います。最近少しご無沙汰していた調剤薬局に行くとそのイメージが大きく変わっていました。その調剤薬局は以前から顧客対応は良かったのですが、先日、薬を貰いに行って、薬剤師さんの動きを観察していますと、以前にはなかった行動が見られるようになっていました。それは、たとえ自分の作業をしていても、お客様が入ってくると、そちらの方を見て少し微笑みを浮かべながら、「いらっしゃいませ」と声掛けを行い、受付から出て処方箋を取りに行くという行動でした。声掛けと声出しの違いにつきましては、以前のコラムで書いた事がありますが、今回の薬剤師さんの対応は声掛けそのものでした。また、受付から出て処方箋を取りに行くという行動は、お年寄りや小さな子供のように、どのようにしたらいいのか分からない、或いはその行動を取ることに少し遠慮がある人にとっては非常にありがたい行動であり、明らかに顧客志向力の表れであると考えます。また、新しいお客様に問診票を書いて頂くときに、座っているお客様のそばへ行き、膝を曲げてお客様より低い目線から話していました。低い目線から話すことにより、お客様は話すことに対する抵抗が少なくなり、言いにくい事も話して頂く事が可能になっており、対人理解力で必要とされる質問力に付随する相手から引き出す為の環境づくりであると考えます。

最近は、政府による後発医薬品の推奨などにより、調剤薬局も厳しい経営環境に置かれており、それを生き残っていくためには、他のサービス業と同様に、企業の将来のカギを握る薬剤師さんたちが、従来から有していた徹底確認力に加え、高いレベルの顧客思考力や対人理解力を発揮していく事が求められている事を示唆していると考える次第です。

 
 
 

最新記事

すべて表示
AHPコンピテンシーコラム第188話

以前放映されたテレビの情報番組で、過疎地に笑顔を届ける移動スーパーの販売員Mさんが取り上げられていました。Mさんは毎日、提携するスーパーで、食料などの商品を見繕って、1週間で3カ所の過疎地を回り、買い物に出ることが難しいお年寄りなどのお客さんに商品を届けています。商品を見繕...

 
 
 
AHPコンピテンシーコラム第187話

以前、テレビの情報番組で、チーフパーサーとして活躍した男性Aさんが紹介されました。ファーストクラスのチーフパーサーとして世界の多くの要人をアテンドしてきた経験を持つ人です。 Aさんが言った言葉で印象に残ったのは、『「ちょっとすみません」と言われたら負け』という言葉です。これ...

 
 
 
AHPコンピテンシーコラム第186話

少し前のコラムでビニール袋を使用しない量り売りの食料・日用品の販売を始めた事業主の『倫理観』のコンピテンシーについて考えましたが、コンプライアンスが重視されるこれからの事業推進において、『倫理観』のコンピテンシーを更に向上させる事が求められると考えます。...

 
 
 

Comments


  • Facebookの社会的なアイコ��ン
  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

©2022 by アイ人財企画。Wix.com で作成されました。

bottom of page