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AHPコンピテンシーコラム第148話

  • 靖 伊藤
  • 2024年11月28日
  • 読了時間: 2分

以前、テレビの番組で15年から20年おきに業態を変える企業が取り上げられていました。現在の社長は3代目で、初代社長からの教えとして企業の旬は15年から20年と考え、その時点で新しい業態で移行し、成功を続けているそうです。この新業態への移行の最大のポイントは、ギリギリになって移行するのではなく、業績が順調なうちに、次への準備を進め、移行することです。企業は基本的に30年で寿命が終わり、変革を余儀なくされるといわれています。しかしながら、業績の良い段階で新しい業態への移行を検討していることがあっても、それを敢行することは容易なことではありません。現社長は「実行してもしうまくいかなかったらどうしますか?」というインタビューに対して、「その時は止めます。止める勇気も必要なのです」と答えています。これこそ業績が良い段階で実行しているから言えることなのでしょう。

さて、ここで、この企業の経営者に脈々と受け継がれてきたコンピテンシーを考えてみたいと思います。

まず、一つは『将来を先読みすることで、今後の変化、ビジネスチャンスを正確に予測し、その変化やチャンス、リスクに対する対策を事前に考案し、且つ実行する能力』である“イニシアティブ”で、「我々は15年先を考えている」という社長の言葉とその行動から、「業界の今後の潮流を先読みし、それに対応する変化を自ら創造している」レベルが発揮されていると考えます。

そして、これを実行する過程においては、「全社の業績成果の向上のため、チャレンジングで且つ現実的な目標を設定し、自分の目標のみならず、その全ての達成のためにいかなる困難があっても諦めることなく、あらゆる手段を駆使しながら取り組んでいる」レベルの“達成思考力”と、「社会全体や業界全体の動き、変化を正確に分析・把握し、業界の中でも大きな影響を与えるような実行可能な独自の理論、方策、モデル等を構築している」レベルの分析的思考力」が発揮されていると考えられます。

また、それに対して、社員もこの変化に少し戸惑いながらも、社長を信頼し、ついていこうとしていることから「非常に高いカリスマ性を持ち、全社員がその方針やビジョンに神髄させて組織を導いている」レベルの“チームリーダーシップ”と「こちらから直接的に何かを要求したり、態度で示したりしなくても、相手の方から自発的にこちらが考えているように動くようなレベルで影響を与えている」レベルの“対人影響力”との発揮が考えられます。

 

 
 
 

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