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AHPコンピテンシーコラム第153話

靖 伊藤

以前、朝の情報番組で“アソビビジネス”の特集で外アソビが取り上げられていました。昨今はスマホなどのゲームで屋内のアソビが主流を占めていますが、その逆をいくものでかなり脚光を浴び、売り上げも右肩上がりに伸びているようです。その中で、『アソビュー』というビジネスが取り上げられました。これは外アソビの予約と管理のみを行っている会社で、実際の運営は各々の施設が行うというものです。今のような時代では、各々の施設がインターネットを活用すれば外の組織を使わなくでもよいのではないかと考えられますが、実際には、お客さんがインターネットで検索し、電話で予約を入れようとしても、その時間帯に各々の施設の担当者が不在であったりしたため、ビジネスの機会を逃していたのが現状のようです。“アソビュー”の考案者はこの点に着目し、このビジネスを開始し、それに加えてこの外アソビの利用者にコメントを書いてもらい、それをまたサイトに掲載しています。これが口コミで広がり、その外アソビが広がっていくと共に、コメントを書かれることで外アソビの運営者もうかうかしておられず、しっかりメンテナンスを行ったり、サービスの向上を図るようになったりしているということです。

ここで、“アソビュー”の考案者のコンピテンシーにフォーカスしてみたいと思います。

外アソビの運営者の集客の問題と利用者側の予約ができないことを着目したのは、「直接に顧客に接し、顧客が求めているものを、敏感に且つ正確に把握し、対応していく能力」である『顧客志向力』の表れであり、「直接多くの顧客に接することで顧客ニーズの一般的な変化や兆候を敏感に感じ取り、その変化や兆候への対応を継続的に考案し自ら実行している」レベルが発揮されていると考えます。また、ビジネスの考案に関しては、「自分の業務環境において、現状や問題などを正確に理解、整理、分析し、自分としての解決策を考案する能力」である『分析的思考能力』の「情報やデータをただ分析するだけでなく、それに基づく洩れダブりのない原因究明を行い実行可能な対応策を自らで考え出している」レベルの発揮が考えられます。

新しいビジネスは全く新しいものを創造していくことも必要ですが、顧客や社会の状況を十分に把握し、今欲しいものだけでなく、真の要望、つまり「こんなのがあったらいいな、でも難しいだろうな」というサプライズを提供することも重要です。

常に顧客の真の要望に着目し、アンテナを立てて情報収集を心がけることが必要なのではないでしょうか?

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