AHPコンピテンシーコラム第162話
- 靖 伊藤
- 1月23日
- 読了時間: 2分
これは以前、とある神戸の喫茶店で見かけた出来事です。休憩の為、珈琲を飲んでいると、一組の夫婦が入ってきました。そして、奥様はアイスコーヒーを、ご主人は宇治金時フラッペを注文しました。しばらくしてアイスコーヒーと宇治金時フラッペが運ばれて来ましたが、それを運んできたウェイターさんはスプーンと氷が膝に落ちた時の為のナプキンをご主人に差し出すと共に、「よろしければ」と同じように奥様にもスプーンとナプキンを差し出したのです。奥様は嬉しそうな笑顔を見せ、ご主人と談笑していました。このようなケースで、夫婦のどちらかが「もう一本スプーンを頂けますか?」を依頼するケースはよく見かけますが、このウェイターさんは注文した時の二人の様子を見て、2組の道具を用意したのです。
このウェイターさんの行動はまさに「直接に顧客に接し、顧客が求めているものを、敏感に且つ正確に把握し、対応していく能力」である『顧客志向力』にもとづくものであり、「顧客の言葉だけでなく、様子や雰囲気から、相手が求めているものや不満な点を敏感に察知し、対応している」レベルが発揮されていると考えられます。また、それを感じるだけでなく、行動に移したことは、「自分の業務環境において、現状や問題などを正確に理解、整理、分析し、自分としての解決策を考案する能力である」『分析的思考能力』であり、「情報やデータをただ分析するだけでなく、それに基づく洩れダブりのない原因究明を行い実行可能な対応策を自らで考え出している」レベルが発揮されていると考えます。
この店は歴史のある店ですが、このウェイターさんのような細かな心遣いが歴史を支えていることを実感した次第です。
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