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AHPコンピテンシーコラム第171話

靖 伊藤

前2回に亘って、「3つのきく」の「心できく(聴く)」と「口できく(訊く)」についてお話してきました。

残るもう一つの『きく』は「耳できく(聞く)」」です。これはどちらかというと「聞こえてくる、或いは何気なくきく」というもので、聴き方としてはそれほど良いきき方とは言えないと思います。

たた、通常、「何気なくきいている」時に、意識をもって相手の話に「集中して聴く」ことで相手から信頼を得ることが出来ます。相談事に乗る時、つい相手の相談に応えようとするあまり、話を聴くことが疎か(おろそか)になることがあります。しかしながら、場合によっては話を聴き尽くすだけで、相手は満足感を覚えたり、自分自身で解決策を見出したりすることもあります。『聴く』ということはそれほど重要なことなのです。『聴く』ことで信頼を積み上げた後は、『訊く』ことにより、相手の現状を詳らか(つまびらか)にしていきます。

前回、お話ししましたように、質問は相手の気付きを引き出す力があります。相手(話し手)は、自分自身で、聴き手と同じ、或いはそれ以上のレベルで、解決策を明確にしていくこともあります。

この順番が逆、つまり、『聴く』ことより『訊く』を先行させてしまうと、信頼関係が構築されるまでに突っ込んだ質問をされることになり、話し手にとっては尋問のような感覚を味わうことになります。

「心できく(聴く)」を行い、信頼関係を構築してから、「口できく(訊く)」を行うことが肝要なのです。

 

 
 
 

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