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AHPコンピテンシーコラム第172話

靖 伊藤

飲食店の経営では坪月商30万円を挙げると繁盛店とのことですが、ある朝の情報番組で、坪月商79万円を上げる居酒屋が紹介されていました。この店の経営者A氏の話によると、41品ある商品の内、売りたい15品に集中させるため、それらの商品をメニューの“Z”の文字の位置に配置しているとのこと。これにより、売りたい商品の注文はそれ以外の商品の注文数に比べて1.8倍になっているとのことです。また、メニューに背景色を加えるかどうかでも売り上げが6.3倍に膨れ上がるとのことです。

ここで、A氏が発揮しているコンピテンシーを考えてみたいと思います。これは「社内外の関係者に対して、あらゆる説明の方法やツールを駆使しながら、こちらの考えている通りに相手が納得し、動いてもらうように影響を与えていく能力」である『対人影響能力』であり、「何か相手を説得する時は、事前に最も効果的な方法を考え、理論武装、説明資料など綿密な準備をした上で説得し、相手が聞き入れない場合でも聞き入れるまで諦めずに説得している」レベルが発揮されていると考えられます。A氏はメニューの作成に際して、心理学の考え方をきちんと理解した上で、それを自身のビジネスに当てはめた場合、どのようなことを行うことがそれに適合するかを考えて、実践しているものと考えられます。

これは経験学習のサイクルを回している一つの好例です。ただ、人が行っていることを模倣する単純模倣ではなく、行動と考え方をきちんと整理し、自身の業務に置き換えているもので、このこ行動こそが着実に成果を上げる方法であると感じた次第です。

 

 
 
 

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