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AHPコンピテンシーコラム第173話

靖 伊藤

以前にもお話ししたことがありますが、仕事で成果を上げていくためには、もちろん専門的な能力は大変重要です。ただ、それにもまして重要な能力がコミュニケーション能力と問題解決能力です。コミュニケーション能力はコンピテンシーで考えると、『対人理解力』と『対人理解力』となりますが、職場の雰囲気を和らげたり、盛り上げたりすることで成果に貢献することが出来ます。この時に発揮されるのが、気遣いとちょっとした声かけではないでしょうか?

気遣いには、少なくとも「言葉では明確に表現されない場合でも、相手の雰囲気から正しく理解している」レベルの対人理解力の発揮が必要です。昨今は思っていても言葉に出さない人が多く見られます。例えば、私が通っているスポーツクラブのロッカールームでも、着替えようとしても自分のロッカーは奥の方にあり、手前の人が着替えをして入ることが出来ず、長時間待っている人がいたとします。そのような時、手前の人が様子を伺い、入りやすいようにしてあげるだけで、気持ちよく過ごすことが出来ます。これは逆の立場でもいうことが出来ます。この時必要なものが「声かけ」です。何も言わずに無理やり入ろうとしてぶつかり、相手に不愉快な思いをさせていることもあります。ある時、そのような状況で、1人の高齢の人が気軽に声をかけていました。この方は、入りたいときは、相手の様子を見ながら、「ちょっとすみませんね」とにこやかな顔で声をかけています。そうすると、気付いていなかった人も「どうぞ」と言葉をかけ返し、和やかな雰囲気になります。

以前発刊され、『今月の一冊』でも紹介しました明治大学教授の斎藤孝氏の著書『不機嫌は罪である』でも書かれていますが、不機嫌な顔をするだけでその場の雰囲気をぶち壊してしまいます。少し気に入らないことがあっても、仏頂面をせず、笑顔で声をかけることを出来る限り心がけていきたいと考える次第です。

 

 
 
 

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