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AHPコンピテンシーコラム第177話

  • 靖 伊藤
  • 3月17日
  • 読了時間: 2分

前回は「自己責任」とロジカルシンキングの繋がりについてお話ししましたので、今回は、もう一つの「批判的思考能力」についてお話ししたいと思います。

「批判的思考能力」は相手の言うことを鵜呑みにしない能力です。これは、相手が嘘をつくからというのではありません。国によっては、宗教などにより、将来的なことは自分ではどうしようもないと考えるところもあります。私がある国に入札のために赴き、入札の為のビッドボンドが届いていなかったため、その発行を再度依頼した際、いつできるかと訊いたところ、「明日」との答えがありました。そして、翌日行くとビッドボンドは発行されておらず、再びいつ出来るのか訊いたところ、やはり「明日」との答えでした。これが延々と続き、結局発行されたのは2週間後でした。後でこの国に長期間滞在する日本人の方や外国人の方に話を聴いてみると、この国では明日より先のことは神の思し召しなので、それ以上先とは言わないのが通常だということでした。それ以降、私は海外に赴任した際は一つの情報だけで物事を判断するのではなく、まずじっくり話を聴いた後、あいまいなことについては深く訊いたり、その他の情報源にコンタクトしたりすることを心がけるようになりました。

ロジカルシンキングでは、「論拠」と「根拠」と「結論」の繋がりが重要です。「論拠」に基づき、「根拠」を判断し、「結論」に繋げる、つまり、相手がどのような「論拠」を持っているかによって、同じ「根拠」であっても「結論」が異なる場合があります。人は「根拠」だけで「結論」を出しがちです。そして、「どうしてその結論になるのか」と考えます。上述のビッドボンドの例で言うと、「なぜ本当にできる期日を言わないのか」ということです。相手の生い立ちや宗教など様々なものが「論拠」を形成します。上述の場合は宗教の教えがそれに相当しますので、これを理解することが大切なのです

 
 
 

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