AHPコンピテンシーコラム第178話
- 靖 伊藤
- 3月20日
- 読了時間: 2分
前回は「批判的思考能力」についてお話しすると共に、ロジカルシンキングの重要な要素である「論拠」と「根拠」と「結論」の繋がりについてお話ししましたが、「論拠」を理解する際に重要なのが異文化理解力です。
以前、『今月の一冊』で紹介しました『異文化理解力』(エリン・メイヤー氏著、栄治出版発行)では、異文化を理解する視点として、「文化の見取り図を作る八つの指標」を紹介しています。
ここでいう八つの指標とは、①コミュニケーション(ハイコンテクストとローコンテクスト)、②評価(直接的なネガティブフィードバックと間接的なネガティブフィードバック)、③説得(原理優先と応用優先)、④リード(平等主義と階層主義)、⑤決断(合意志向とトップダウン)、⑥信頼(タスクベースと関係ベース)、⑦見解の相違(対立型と対立回避型)、⑧スケジューリング(直接的な時間と柔軟な時間)です。そして、相手の対応がこれらの視点のどれに基づくものであるのかを理解出来るかが、『対人理解力』の「相手の性格や行動の特徴など相手のバックグラウンドを理解し、相手が伝えようとしている考え、気持ちの背景までを含めてその通り共感的に理解している」のレベルの発揮を示しており、それらの理解をベースとした対応が『対人影響力』の「理論武装、説明資料などを準備するだけでなく、相手の人間的な特性を敏感に見抜き、その特性に合わせた説得方法を事前に綿密に準備をした上で、様々な手管を用いて、相手が聞き入れるまで諦めずに説得を続けている」レベルの発揮に繋がるものと考えます。
コメント