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AHPコンピテンシーコラム第179話

  • 靖 伊藤
  • 3月24日
  • 読了時間: 2分

4月には新しい年度を迎えるため、企業や各種団体では、日本の動静だけでなく、世界の動静を見据えて、戦略を立てていることと考えます。戦略を立てる際に必要となるのが、現状の分析です。新年の経済番組で、色々な専門家が今後の見通しを述べていますが、その根拠となるのが、現状の分析で、聴いていて「なるほど」と感じるものと、疑問を感じるものがあります。「なるほど」と感じるものは少なくとも2つの要素をしっかり押さえています。一つは、現状の重要な要素をモレダブりなく(MECE)把握し、それらの現状(時としてこれは『問題』となっていますが)、の根本的な原因を突き止めていることです。そして、もう一つが、現状の分析に基づく予想に囚われることなく、それ以外の普通の人が見過ごしてしまうような事象をしっかりと捉え、新しい考え方を創出していることとです。

これらに必要となるコンピテンシーは、まず、「自分の業務環境において、現状や問題などを正確に理解、整理、分析し、自分としての解決策を考案する能力」である『分析的思考力』で、「社会全体や業界全体の動き、変化を正確に分析・把握し、業界の中でも大きな影響を与えるような実行可能な独自の理論、方策、モデル等を構築している」レベルが求められます。また、「様々な事象間に共通する意味や関係を把握したり1つの事象から連想的に別の新しい概念を見出したりして、新しい考え方やビジネスモデル、独自の理論を作り上げていく能力」である『概念的思考力』の「一見無関係に見える複数の事柄の間や、自分の業務や専門性には無関係に見える領域の事柄からでも、一般的には推定が困難な共通する意味や関係を、自分の領域との間に見出し、それを理論化、モデル化している」レベルが求められます。そして、これらのベースとなるのが、「あらゆる情報源や情報ルートを自ら開拓し、仕事で必要となる情報を誰よりも早く正確に、且つ幅広く集める能力」である『情報探求力』で、少なくとも「殆ど全ての必要な情報は常に収集できる体制を構築しており、逆に業界や専門家から情報提供を求められるような情報力を持っている」のレベルが求められると考えます。その為にも、視野を広く持ち、幅広い信頼できる人脈を形成し、耳学問に終わることなく『三現主義(現場・現物・現実)』に基づいた行動をとることが必要となるのでしょう。

 
 
 

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