AHPコンピテンシーコラム第182話
- 靖 伊藤
- 4月4日
- 読了時間: 2分
昨今はただ便利や効率を求めるだけでは真の企業が果たすべき社会的責任を果たすことは難しくなっています。企業は、利潤性原理に基づくと共に、公共性の社会的責任、つまり社会の規範の順守が求められ、これに沿った行動を求められています。これに沿って、起業し3カ月で会員数を1400名に増やし黒字化した企業が以前テレビの報道番組で紹介されていました。
この企業の創業者は元は宝飾関係の仕事に従事していましたが、自分が出すゴミの多さに痛感し、一切プラスチック容器やビニール袋を使用しない量り売りの食料・日用品の販売を始めたそうです。お客さんは自宅にある瓶を持参して自分で量を図り会計をするシステムで、その為、人手もあまり掛からず、早期の黒字が実現したそうです。
さて、この創業者のコンピテンシーを考えてみたいと思います。
一つは、「自分の業務環境において、現状や問題などを正確に理解、整理、分析し、自分としての解決策を考案する能力」である『分析的思考力』で「状況や環境の分析から表面的なものではなく、潜在的なものをも見つけ出し、実行可能な対応策を自分で考え出している」レベルが発揮
去れていると考えます。ただ、この行動は自分自身が出しているゴミが社会に与える悪い影響を痛感したことが初めにあり、これは「倫理的原則や企業の価値観に従って行動する性向」である『倫理観』が「倫理的な原則と、道徳的行為に関する基準をしっかりと守り、約束は最大限果たそうとし、どうしても不可能な場合には、そのことについて非を認め、更に、精一杯のフォローをする」レベルが発揮されていると考えます。その結果、社会的責任を果たしていることに共感を生み、また、人手も余りかからないことで、企業として大切な利潤性原理にも従うことになった
ものと考えます。
目先の利潤を追うだけでなく、しっかり社会的責任を果たすことの重要性を感じた次第です
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