AHPコンピテンシーコラム第183話
- 靖 伊藤
- 4月8日
- 読了時間: 2分
以前、“がっちりマンデー”でフードコートに出店した“スシロー”が取り上げられていました。
”スシロー“と言えば、回転寿司の大手。ところが、フードコートには寿司を回転させるチェーンを設置するスペースは見当たりません。そこで、この店の設計に携わった人がとった施策は、寿司の提供の仕方を大幅に変更し、その為の仕組みを作り上げたことです。
回転寿司はチェーンの上に寿司を載せて提供する事で人件費の節約をしてきました。この店は、チェーンで回転させる代わりに、1回の注文を6個に限定し、6個の寿司を作ることが出来る装置を開発し、ネタだけを人の手で載せるようにすることで、人件費の増加を押え、利益を確保し、
フードコートへの進出を可能にしたのです。
さて、ここで、この仕組みを考え出した人のコンピテンシーを考えてみたいと思います。
回転寿司の店でありながら、回転を止めたことは、「状況に応じて、既存の方法にとらわれず、全く新しい方法を考案し実行したり、既存の方法でもやり方に改良を加えたりしながら臨機応変に対応する能力」である『柔軟性』のコンピテンシーであり、「状況に応じて、従前の全社の方針や戦略をも根本から考え直し修正するくらいの柔軟な発想を展開し、可及的速やかに行動に移している」レベルが発揮されていると考えます。
企業の発展に必要な改革を妨げる最大の要因は、パラダイムへの執着です。回転寿司という名に拘らず、回転を除去する思考こそが今後の更なる発展に必要なコンピテンシーではないかと考えた次第です。
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