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AHPコンピテンシーコラム第188話

  • 靖 伊藤
  • 4月30日
  • 読了時間: 2分

以前放映されたテレビの情報番組で、過疎地に笑顔を届ける移動スーパーの販売員Mさんが取り上げられていました。Mさんは毎日、提携するスーパーで、食料などの商品を見繕って、1週間で3カ所の過疎地を回り、買い物に出ることが難しいお年寄りなどのお客さんに商品を届けています。商品を見繕う際は普段のお客さんと会を考慮して、欲しいと言っていたもので、出来るだけ価格の安いものを選んでいるそうです。販売する際は、お客さんの家の前に自動車を止めて家の中に商品を届けたり、足の悪いお客さんの場合は、少し離れた家の玄関まで荷物を運んだりしています。また、お客さんとはいつも、色々声を掛けて色々な話をしていますが、これが幸いして、お客さんが脳梗塞の初期症状だった時に、それを察知して、救急車を呼び、そのお客さんは早期治療を受けることが出来て、今は後遺症もなく、暮らしているそうです。

その時のことをMさんは、「以前介護サービスの仕事をしていたことがあったが、話していると、どうもいつもと違うので、おかしいと思い、話しているうちに脳梗塞ではないかと思った」と話していました。

さて、ここでMさんが発揮しているコンピテンシーを考えて視たいと思います。

まず、スーパーで品物を見繕う際は、普段のお客さんとの会話の中から、出来るだけ価格の安いものや欲しいと言っていたものを選んでいることは、「直接に顧客に接し、顧客が求めているものを、敏感に且つ正確に把握し、対応していく能力」である『顧客志向力』の表れであり、「直接多くの顧客に接することで顧客ニーズの一般的な変化や兆候を敏感に感じ取り、その変化や

兆候への対応を継続的に考案し自ら実行している」レベルの発揮が考えられます。また、お客さんの様子がおかしいことから脳梗塞を疑い、救急車を呼んだことは「単に言葉や態度で伝えられたものだけでなく、言外にある意味も含めて、相手の気持ちや考えを、自分の考えや感情で歪めることなく、その通りに正確に理解していく能力」である『対人理解力』の表れであり、このケースは相手が無意識であるにも関わらず、潜在的な物を察知する観察力が発揮され、「言葉では明確に表現されない場合でも、相手の雰囲気から正しく理解している」レベルが発揮されていると考えます。

 

 
 
 

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