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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第19話


日常で気がついたコンピテンシー。今回は、ある玩具の開発にかかわるお話です。

以前、テレビでベイブレードという玩具の開発の歴史について、開発に携わった担当者が話していました。

ベイブレードは日本古来のおもちゃであるベイゴマに現代風の改良を加えたものです。彼は「既にベイゴマは玩具として定着したものなので、これを改良すると、再びその人気は爆発するだろう。」と考えたと言います。そして、約十年前から下町のおもちゃ屋に毎週土日に通い、子ども達に色々意見を聞いて回って、ベイブレードの第一号機を完成させましたが、それは思ったほど売れなかったのです。そこで彼は、玩具屋通いを再開して、以前と同じように、お客様になる子供たちから色々なことを聞き出して、売れない理由を解明し、今のベイブレードブームを巻き起こしたというのです。

ここで、彼の言動をコンピテンシーの視点で見てみると次の通りになります。まず、ベイゴマを改良することで、ベイブレードの人気が爆発すると考えて行動を起こしたのは、「先見性」のコンピテンシーの高いレベルでの発揮であり、次に、ベイゴマをベイブレードに改良するために、下町のおもちゃ屋に通って子どもたちの意見を聞いて回ったのは、「顧客志向性」と「情報探求力」のコンピテンシーです。そして、ベイゴマというベースにおもちゃ屋で収集した顧客のニーズを組み合わせてベイブレードを完成させたのは「概念思考力」のコンピテンシーであり、売れなくても、あきらめずに再び、おもちゃ屋通いを再開して、新しいベイブレードブームを巻き起こすに至ったのは、高い「達成志向性」ということができるでしょう。

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