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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第21話


日常で気がついたコンピテンシー。今回は、職人さんのコンピテンシーについて考えて見ましょう

職人というと頑固で取っ付きが悪く、自分の作るものには過剰な自信をもち、唯我独尊ではないかと思っている人もいるのではないでしょうか。

先日、ある建具の職人さんが取材で次のように話しているのを見かけました。

「芸術家というのは、創作を通して時代の先を読んだり、哲学的なことを論じられたりする人が芸術家であって、我々はやっぱり職人だと思います。」

「職人は工人であるべきであり、なんといっても注文主、オーナーがあって成り立つ仕事であり、オーナーの思いを超えるものにするのが工人ですね。その人の思いを形にすることが出来、或いはその思い以上に作るのが工人です」

これらは取材の一部ですが、この職人さんは日本でも有数の有能な職人さんで数々の作品を作り出して提供されている、つまり、成果を出されている方です。

これらの言葉からすると、この職人さんは唯我独尊であるどころか、常に注文主、つまり、お客様の求めるものを、言葉だけでなく、その想いまでも読み取ってそれを形にしていっているということを感じることができます。この職人さんの例だけを見て、全ての職人さんがそうであるとは言えませんが、この職人さんに関する限り、顧客志向力の高いレベルを発揮してお客様に対応されていると言うことができるでしょう。

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