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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第22話


日常で気がついたコンピテンシー。 今回は、あるうどん屋さんのお話しです。

 以前、私の家の近くに昔からあるうどん屋さんがありました。いつ通りかかっても満員なのでいつかは入ってみたいと思っていましたが、ある日、たまたま席が空いていたので入ってみました。

 この店のメニューの種類は、特に多いということはありません。但し、入り口のところに「揚げたての天婦羅の天婦羅うどん定食」と書いた貼り紙があり、それに釣られて入っていく人もいるようです。中に入ると3人くらいの女性がいましたが、そのうちの一人が女主人のようで、この人の様子を見ていると、常連のお客さんと談笑しながらも、常に注意を払っていて、水がなくなるとさっと水を入れに来たり、また、外で人が止まるとさっとでて引き入れるよう声をかけたり、外を常連の人が通ると声を掛けに出たりしています。

 メニューも天婦羅うどん定食のご飯をおにぎり、いなり、しそご飯、鮭ご飯の4種類にしており、また丼物とうどんのセットもあり、少食の人向けに、ミニ丼を置いています。これはお客さんと話しているうちに次々と考えたそうです。

 この女主人の行動からは、顧客志向力や対人影響力のコンピテンシーが多く見てとれます。常に客の様子をみてタイミングよく水を出したり、メニューにお客から聞いた話をうまくメニューに取り入れて、メニューを豊富にすることで毎日でも来る常連客を生み出したりするのは顧客志向力の現れです。そして、行き先の定まらない常連客が通りかかったときに、声をちょっと掛けて呼び入れるのは関係構築力の現れということができるでしょう。

残念ながら、このうどん屋さんは女主人が高齢となったため、閉店となりました。

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