top of page
  • 靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第31話

日常で気がついたコンピテンシー。 人は追い詰められた時に、コンピテンシーをフルに発揮することがあります。これは以前、ハワイで起こった飛行機事故で、機体の屋根を吹き飛ばされながら、ほぼ全員を乗せて近隣の空港に生還した機長の話です。

彼は事故発生から20分弱の間に様々な厳しい判断をすることになりました。まず、乗員が正常に呼吸をできるように、できる限り速やかに高度7000mから高度3000mに高度を下げなければなりませんでした。しかし、マニュアル通りの下降速度では機体が空中分解することを予測し、自らの経験に基づき、ぎりぎりの下降速度を瞬時に割り出し、それを実行に移したのです。また、着陸に際しては、寸前になって片側のエンジンが停止したため、両翼にあるブレードをマニュアル通りの角度にして減速すると、もし一回で着陸不能な場合に再び上昇できない可能性があると判断し、ブレードの角度をより緩やかにすることで、速度を緩めずに着陸体勢に入り、着陸寸前に通常とは逆に逆噴射の出力を増して滑走路ぎりぎり一杯での着陸に成功したのです。マニュアルは平常時を想定して作られています。が、緊急時にはそれに加えて考慮すべき様々な点があり、彼はそれを全て勘案して無事生還を果たしたのです。

 それでは、この機長がこの危機に際して発揮したコンピテンシーを考えてみたいと思います。まず、独自の下降速度とブレードの角度を瞬時に割り出し実行したのは、『自分の業務環境において、現状や問題などを正確に理解、整理、分析することで、自分としての対応策を考え出していく』分析的思考力で「状況や環境の分析から潜在的なものをも見つけ出し、実行可能な対応策を自分で考え出している」レベルであると言えます。また、片側のエンジン停止を発見し、マニュアル通りに減速すると再び上昇が出来ない可能性があることを考えて自らの経験に基づいて角度を変えたことは、状況に応じて、「従来通りの会社の方針や戦略をも、根本から考え直し修正するくらいの柔軟な発想を展開し、可及的速やかに行動に移している」レベルの柔軟性を発揮しています。そして、これらの判断を瞬時に行い実施したことは、「全社の業績成果の向上のため、チャレンジングで且つ現実的な目標を設定し、自分の目標のみならず、その全ての達成のためにいかなる困難があっても諦めることなく、あらゆる手段を駆使しながら取り組んでいる」という最高レベルの達成志向力によるものと言うことができるでしょう。

閲覧数:0回0件のコメント

最新記事

すべて表示

AHPコンピテンシーコラム第83話

日常で気がついたコンピテンシー。 今回は採用に生かすコンピテンシーのお話の続きです。 82話では採用する人材要件の共有についてお話しました。今回は、それを実際の面接において、自社の採用しようとしている人材モデルと面接の相手とのギャップを明らかにする方法をお話しします。 通常、面接では時間を節約する為に、質問を用意して「はい」「いいえ」で答えさせる限定質問法が使われることが多いと思います。確かに、多

AHPコンピテンシーコラム第82話

日常で気がついたコンピテンシー。 今回は採用に生かすコンピテンシーのお話です。 苦労して採用はしたものの、採用した人財が結果を出せずに1年も経たない間に辞めてしまったという悩みをもたれている経営者や人事担当者の方はいらっしゃいませんか?私自身、以前行ってきた採用活動で感じたことが2つあります。一つは「採用しようとしている人はどんな人か」ということを自分自身がはっきりとイメージし、そのイメージを採用

AHPコンピテンシーコラム第81話

日常で気がついたコンピテンシー。 今迄はコンピテンシーについて様々な日常の人の行動事例についてお話をして参りました。今迄お話ししてきましたように、コンピテンシーは決して私達から遠くかけ離れた一部の人達だけが発揮しているものではありません。常日頃から多くの人が仕事をしていく上で、発揮しているものなのです。 これからは、このコンピテンシーをどのように活用していったらよいかということについてお話してみた

Comentarios


bottom of page