日常で気がついたコンピテンシー。 外食店も流行っているところと流行っていないところがありますが、やはりそれなりの理由があります。その理由の要因としては、仕組みと人とがあり、人についてリーダーと店員が考えられますが、今回は外食店のリーダー、即ち、店長にスポットを当ててみたいと思います。
先日、テレビで放映された外食店では、店長が開店前には全ての店員を集めて、的確な役割分担と指示を行い、開店中は、常に店員の動きを観察し、コップを割ったりするなどのトラブルが起こると、率先してその現場に駆け付け、お客様にお詫びすると共に、店員には素早く指示を出して処理をさせ、しかる後に注意を加えていました。そして、終礼時には各店員にその日を振り返らせて明日に向かっていけるように統制を加えていました。
一方は、私自身が先日行ったある居酒屋では、私の知り合いの人の友人がオーナーをしている店で、このオーナーは日頃から「儲からない」とぼやいておりました。訪問してみると、入店時だけは威勢の良い声が聞こえてきたのですが、その後の対応が良くありません。そこで店長は何をしているのかと観察していると、店長は店員に混じって黙々と作業をしているだけなのでした。それもカウンターにいる私たちの目の前にいたのですが、他の店員が「店長」と呼びかけたのでやっと彼女が店長であるとわかった次第です。私たちが頼んだビールが5分経っても来ないので、催促しても、この店長はそれを気にするでもなく、ただ黙々と作業をしていましたし、店長に対して頼んだビールまでもが5分経っても来なくて催促したという有様でした。
さて、ここで、この二人の店長のコンピテンシーを比べてみたいと思います。前者は、顧客志向力の「顧客の様子から、相手が求めているものを敏感に察知し、対応している」レベルと共に、チームリーダーシップの「自ら組織全体の方針を考えて打ち出し、部下に対して出来る限りのサポートや動機付けを自ら行ない部下全体から信頼され、方針に沿って組織を導いている」レベルや他者育成力の「模範行動のみならず、その理由や概念など詳細な説明を本人が納得できるまで丁寧に説明することで指導・育成を行っている」のレベルを発揮しているのに対し、後者は顧客思考力、リーダーシップそして他者育成力のすべてにおいて、コンピテンシーを殆ど発揮していないといえる状態で、それが最終的には、前者が大入満員の繁盛しているのに対して、後者はオーナーが満足できるレベルの売り上げを上げることができないと結果につながってのではないでしょうか。
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