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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第61話

日常で気がついたコンピテンシー。 今回はある食堂の女性のお話です。

私は仕事で地方都市に出かけ、ちょうど昼時になったので、どこかで食事を取ろうと駅の近くを見渡したところ、近くにチェーン店のうどん屋さんと昔ながらの食堂がありました。最初はチェーン店に入ろうかと思いましたが、かなり混んでいたので、昔ながらの食堂に入りました。食堂に入った時はお客さんは2人ほどいるだけでしたが、私が入った直後、急に人が増えてきました。そのとき、店でお客さんの対応をしていた女性は、最初からいた常連のお客さんとうまく話をつなぎながらも、入ってきた人を手際よく席に誘導し、注文を取っていきました。必ずしも入ってきた順番にお茶を出したり、注文を取ったりするわけではないのですが、メニューを見て注文をしようとすると、すっとそこに現れるといった具合です。また、一人のお客さんから注文を取って、奥に帰るときに、次の人が頼もうとすると、すかさずそこで立ち止まり、注文を取っていくといった具合で、久しぶりに見ていて「お見事」と言った感じを受け、これがチェーン店に対抗してもお客さんを呼び込んでいるのでないかという印象をもった次第です。

さて、この女性はどのようなコンピテンシーを発揮していたのでしょうか。これは紛れもなく、顧客志向力と言えるでしょう。何気ないそぶりをしているようで、常にお客さんの様子をよく観察し、注文が決まりそうだと、それを察知して、注文を取りに行くという行動は、「顧客の様子から、相手が求めているものを敏感に察知し、対応している」レベルの顧客志向力です。このコンピテンシーは全ての仕事で必要なもので、通常やって当たり前と考えられていますが、実際にはこの行動が出来ずに、お客様を逃がしている事がよくあります。皆さんの周りでも、このレベルのコンピテンシーを発揮する事で成果を上げている人とそうでない人の差が出ているのではありませんか?

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