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AHPコンピテンシーコラム第65話

靖 伊藤

日常で気がついたコンピテンシー。 今回は会社の受付担当者のお話です。

会社の受付は、お客様が来社された時、最初に触れる会社の顔とも言うべきもので、良いにつけ悪いにつけ、そのお客様にその会社の印象を植え付けてしまう事があります。

私は、先日、ある会社を2日間、続けて訪問することになりました。1日目にその会社に行ったところ、受付のAさんは、すぐ連絡票の束の中から私の連絡票を取り出し、「担当の方から連絡がありました」と言ってから担当者に電話で再確認をした後、私に目的地に行く道筋をその途中にある目印などを使ってきちんと説明して戴き、私は迷わず目的地に着くことが出来ました。ところが2日目には、前日にはいたAさんではなく別のBさんがいて、受付票を書くように言われました。私は、「昨日のように連絡が来ていないのかな」と思いながら、受付票を書こうとしたところ、Aさんが寄ってこられ、「その方については担当の方から連絡票が出ていましたよ」とBさんに言ったため、Bさんが探してみると連絡票が見つかり、私は紙を書く必要はなくなりました。但し、Bさんは、Aさんとは異なり、「連絡をしておきますからどうぞ」と言っただけで、Aさんのようには説明してくれず、私は自分で前日の道筋を歩いていったのでした。

さて、この2人のコンピテンシーを見てみたいと思います。先ずAさんは、担当の方から届いた連絡票を事前に確認していたこと、さらに担当の方に電話で再確認をしたのは「通常からあらゆることを配慮し、ミスや問題の発生要因を事前に確認し、問題やミスの発生の未然防止策を講じている。」レベルの徹底確認能力です。また、私に目的地に行く道筋をその途中にある目印などを使ってきちんと説明して戴いたのは「顧客の満足度を常にモニターし、不満な点については、顧客からその理由を聞き出し、対応している」レベルの顧客志向力でしょう。一方、Bさんは、事前の下準備ができていなかった事から見て、Aさんに比べて徹底確認能力は低く、道筋の説明をしなかった事から見ても、顧客志向力は殆ど発揮されていない事がわかります。

さあ、皆さんの会社の受付担当者はどちらのタイプの人でしょうか?

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