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AHPコンピテンシーコラム第66話

靖 伊藤

日常で気がついたコンピテンシー。 今回はファーストフード店の店員さんのお話です。

先日、私が和風ファーストフードの店に行った時のお話です。店に入ると、その店はカウンター式でA、Bの2つのラインに分かれており、両方共10席くらいで8分くらいの入りだったのですが、Aの方には殆どの料理が配膳されているのに対し、Bの方ではかなりの人が待っているような状況でした。担当はAの方が30歳台の女性、Bの方が20歳台前半の女性で、両方とも愛想は良いのですが、Aの女性は、声はそれ程元気とはいえないけれども、お客さんが注文をしようとすると、すぐそこに向かい、手際よく注文を聞き、奥の調理場に聞こえるように連絡したり、料理を注文したお客さんのところに間違わずに運んだりし、また、料理を運ぶ途中でお客さんから声をかけられた時は、「暫くお待ちください」と声をかけ、すぐ引き返して要件を聞いていました。それに対して、Bの女性は、声はすごく元気なのですが、お客さんが注文をしようとしてもそれに気がつかず、私の場合は注文を3度言わされました。また、運んでくる時は、私だけが違う物を注文しており、その上、まだ運ばれてないのは私だけなのに、どこに運ぶのかがわからずうろうろしている始末でした。

この2人を見ていると、顧客志向力において大きな差が見出せると思います。Aの女性は、お客さんが注文をしようとするとすぐそこに向かったり、料理を運ぶ途中でお客さんから声をかけられた時はすぐ引き返して要件を聞くなど、「顧客の様子から、相手が求めているものを敏感に察知し、対応している」レベルや「顧客の満足度を常にモニターし、不満な点については、顧客からその理由を聞き出し、対応している」レベルを発揮しているのに対し、Bの女性はマニュアル通りには動いているのでしょうが、お客さんが注文をしようとして気がつかなかったり、お客さんに注文を3度言わせたり、どのお客さんがどれを注文したかが頭に入っていないと言う事で「顧客からの直接的な要求に対しては対応しているが、自分から顧客満足につながるようなことを察知し研究したり、それを行動に移すことはしたりしていない」レベルしか発揮できていないということになるでしょう。この店は私のお気に入りの店であったのですが、暫くは行く気がなくなってしまいました。このような事態を避ける為にも、店長は店員さんの行動を良く観察して、しっかり指導をする事が必要ではないでしょうか?

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