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  • 靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第69話

日常で気がついたコンピテンシー。 今回は酒屋さんのお話です。

かなり前のお話ですが、お酒の販売の規制緩和により、小規模の酒屋は苦戦を強いられていました。しかし、中には様々な工夫を凝らして、この苦境を乗り切ろうとしている酒屋さんがありました。この酒屋のご主人は、 「今まで酒屋は地元にアピールするのが足らなかったのではないか。酒屋は酒を売るだけが仕事なのか。それとも、酒を取り巻く環境を一緒に売っていくべきなのか。」と考えた末、地元の農家と協力して米から地酒を造りました。そうすると、この店には一般客だけでなく、地元の飲食店の多くが彼の酒の知識を求めて訪れるようになりました。彼はその一人一人に対して、どの酒がどのような特徴を持ち、どのような料理があうのかなどを事細かく説明し、地元の飲食店の人々はその説明に基づき、酒を購入して行くようになりました。

さて、彼はどのようなコンピテンシーを発揮していたのでしょうか。まず、 「今まで酒屋は地元にアピールするのが足らなかったのではないか。酒屋は酒を売るだけが仕事なのか。それとも、酒を取り巻く環境と一緒に売っていくのか。」と考え、それに基づき地酒を造ることで地元にアピールしていた事は、「一見無関係に見える複数の事象間や、自分の業務や専門性には無関係に見える領域からでも、一般的には推定が困難な共通する意味や関係を、自分の領域との間に見出し、それを理論化、モデル化している」レベルの概念思考力です。また、彼の酒の知識を求めて訪れる地元の飲食店の人々、一人一人に対して説明した事は、「独自の専門的な理論を構築し、社外からもその領域の専門家であると認識されている専門性を身に付け実際に仕事で活用している。」レベルの専門知識拡大活用力であり、どの酒がどのような特徴を持ち、どのような料理があるかなどを事細かく説明し、地元の飲食店の人々がその説明に基づき酒を購入したのは、「何か相手を説得するに際し、事前に最も効果的な方法を考え、綿密な準備(理論武装、説明資料など)した上で、相手が聞き入れるまで諦めずに説得している」レベルの対人影響力であるといえるでしょう。

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