top of page
靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第70話

日常で気がついたコンピテンシー。 今回は飲食店やスーパーの店長のお話です。

飲食店やスーパーマーケットの店長の仕事はその店の売上を大きく左右します。そのため、各店長とも、色々なことを考えて実行していますが、必ずしもそれが上手くいっているとは限りません。

これは開店した直後のうどんのチェーン店に行った時のことで、その店は小さな店で店長と5名の店員がおり、店長はうどんをゆでながら、店員に指示を出していました。お昼時になると、徐々にお客さんが増えてきたので、店長はお客さん対応兼会計の店員に「右の方から並んで貰ってください」と指示しました。しかし、その店員は「左から並んでもらっていますので」と答えたので、店長は自分でそれを確かめることもせずにそのまま流していました。また、店員が「席が一つだけ空いていたら、一人で待っている人に入ってもらって良いですね」と尋ねると、それに対して店長は「それは前に待っている人に了解を取ってからにしてね」と答え、店員さんはそんなことわかっているといわんばかりに「勿論そうします」というやり取りをしていました。この店員は会計の時にレジがうまく動かず、我々に聞こえるくらいの大きな声で何かブツブツと愚痴を言っており、会計待ちのこちらの方から見ると、決して感じの良いものではありませんでしたが、店長はその点については何も対応をしていませんでした。

さてここでこの店長のコンピテンシーのレベルを考えてみたいと思います。

まず、店長はお客さん対応兼会計の店員さんに対する「右の方から並んで貰ってください」という指示を始めとするお客さんの並ばせ方や席への案内についての店長と店員のやり取りは開店以前に確認を取っておくべきもので、そのようなやり取りをお客さんの前でするということは、「部下に組織の方針を伝える際は、部下全体には情報が伝達されておらず、上から言われたことをそのまま伝えている」レベルのリーダーシップしか発揮されていません。また、店員さんがブツブツ言っていてもそれに対する注意をせずに放置したのは、「顧客からの直接的な要求に対しては対応しているが、自分から顧客満足につながるようなことを察知し研究したり、それを行動に移したりするようなことはしていない」レベルの顧客志向力であるということが出来るでしょう。

閲覧数:1回0件のコメント

最新記事

すべて表示

AHPコンピテンシーコラム第150話

今回は以前、朝の情報番組で取り上げられ電話情報交換士のAさんにスポットを当ててみたいと思います。 Aさんは某百貨店の電話交換士です。電話交換士というと、お客様からの電話を的確にかつ迅速に対応することが求められますが、Aさんの行動を見ていると、まず、電話がかかってくると、何も...

AHPコンピテンシーコラム第149話

人口減少により、都市部における働き手の需給のアンバランスが生じており、特に小売業や飲食業では人材の確保に躍起になっています。それらの大半はパートやアルバイトですが、彼らの応対の仕方がその店の評判に大きな影響を与えています。特に、コンビニなどでは同じ商品を贖っているケースが大...

AHPコンピテンシーコラム第148話

以前、テレビの番組で15年から20年おきに業態を変える企業が取り上げられていました。現在の社長は3代目で、初代社長からの教えとして企業の旬は15年から20年と考え、その時点で新しい業態で移行し、成功を続けているそうです。この新業態への移行の最大のポイントは、ギリギリになって...

Comments


bottom of page