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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第78話

日常で気がついたコンピテンシー。 今回は『柔軟性』のお話です。

コンピテンシーとしての『柔軟性』は「状況に応じ、既存の方法にとらわれず、全く新しい方法を考案し実行したり、既存の方法でもやり方に改良を加えながら臨機応変に行ったりしていく性向」です。人は物事を達成していく過程で、様々な事にぶつかりますが、それらの障害を乗り越えていく為に、既成概念を取り払って次から次へと新たな手を打っていく能力です。

 今回お話しするA氏はある百貨店の靴の敏腕バイヤーで、その百貨店の将来を左右する新規店のプロジェクトメンバーとして開店準備に携わっていました。彼は経験と知識が豊富で、今までの経験では、開店時にこの百貨店が扱う靴の売上をあげる為には、セールを行うことより、むしろ流行の先端を行く靴を揃えた方が良いと考え、そのような準備を行い、開店日を迎えました。しかしながら、お客様の志向は彼の思惑に反し、売上は予想に比べかなり低調なものとなりました。彼はその事態を昼過ぎには察知し、対策として午後2時にセールの対象となる安価な商品と数量を協力メーカーに連絡して、翌日の開店2時間前までに店に届くように手配し、商品の配置も流行品を後ろに下げてセール品を前面に出し、売上を前日の分も含めてとんとんのところまで戻したとのことです。

 ここでA氏が発揮したのは、「業務遂行や問題解決に際し、既存の複数の方法を持ちそれを状況に応じて柔軟に使い分けている」レベルです。

 A氏のように経験と知識が豊富であっても、それを基に考案したやり方がその場に適さないと判断した場合、そのやり方に固執せず、他のやり方を考案してそれに移行できる事が、失敗を成功に転換する秘訣なのではないでしょうか?

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