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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第8話


今まで、それぞれのコンピテンシーの定義とレベルの定義について、例話を交えてお話して来ました。全てのコンピテンシーについても、今まで説明したコンピテンシーと同様に、定義とレベルの定義が設けられており、後に説明するコンピテンシー測定で、聴き取られた行動と思考がどのレベルに相当するのかを判定していきます。

コンピテンシー測定のお話をする前に、コンピテンシーモデルについて、お話したいと思います。

コンピテンシーモデルは、『業務において常に高業績をあげている者をベンチマークとして設定し、高業績者たる要因を徹底分析し、これをモデル化したもの』です。どこの企業にも、高業績を上げている人たちがいますが、「皆がそのような人たちと同じようだったらいいな」と考えるのはごく自然なことです。コンピテンシーモデルは、このような人たちの行動や思考をコンピテンシーの視点で、分析を加えて、モデルとしてまとめたもので、高業績者の要件とも言えるものです。このコンピテンシーモデルの職務に期待される成果は会社の戦略に応じて異なりますので、それに伴い選ぶべき高業績者も異なります。また、従来の「職務遂行能力」というような一般的・恒久的な能力モデルではなく、事業戦略が反映されたモデルと言うのが特徴です。例えば、「職務遂行能力」の場合は、設定された全ての能力について水準を記載することが多いのですが、コンピテンシーモデルの場合は、職務毎に、職務における成果責任を果たすために必要とされる能力を10個以内くらいで選択し、それの水準を設定することになります。その結果、部下には必要でも、上司にはそれほど必要とされないことや、場合によっては上司に求められるレベルの方が低いこともあります。コンピテンシーモデルは、先にもお話しましたように、基本的には、『業務において常に高業績をあげている者をベンチマークとして設定し、高業績者たる要因を徹底分析し、これをモデル化したもの』ですので、モデルとなる人たちの実際の行動や思考をインタビューして、それを基に作成しますが、モデルとなる人たちが特定しにくい場合は、職務の成果責任を全うするために、どのような行動と思考を行うかと言うことを、関係者のブレインストーミングによって作成することも可能です。

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