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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第80話

日常で気がついたコンピテンシー。 今回は「情報探求力」のコンピテンシーについてお話します。情報探求力は「あらゆる情報源や情報ルートを自ら開拓し、仕事で必要となる情報を誰よりも早く正確に、且つ幅広く集める能力」で、営業部門のみならず研究者やスタッフ部門の職務等においても頻繁に発揮されているコンピテンシーです。

 これはある百貨店で売上不振を挽回するために、2人のバイヤーが取った行動で発揮された「情報探求力」のコンピテンシーです。まず、入社3年目のA氏は、売上を挽回する為には来店する顧客の年代層や顧客の好みなどを把握する事が必要と考えて、前任者や会社のデータを隈なくチェックし、その分析結果に基づき、次のイベントで主力とする商品を決定しました。一方、ベテランで切れ者と言われているB氏は、以前より会社のデータから自分のデータに流し込んで分析するツールを構築しており、それを使って顧客分析を行うと共に、異業種交流会で得た情報や顧客との親睦を深める為に行なっていたメール通信のアンケートで蓄積していたデータの分析により、顧客の最近動向を把握し、今後、売り出す商品を特定していったのでした。その結果、二人ともそれなりに成果は上がったとのことですが、2人の売り場を比較した場合、やはりB氏の方がリピーターの数が多く、一人あたりの単価も高かったとの事でした。

 さて、ここでA氏が発揮したレベルは「情報が必要な際は、自分の周りだけでなく、様々なところに積極的にコンタクトし、幅広く正確な情報を入手している。」レベルであり、一方、B氏が発揮したレベルは「独自の情報収集方法、プロセスや情報網を構築し、それらにより、貴重な情報をも迅速且つ正確に収集している」レベルです。この場合、A氏の発揮したコンピテンシーのレベルは決して低いわけではありませんが、B氏のように通常から今後の事を想定して仕組みを作り上げる事で、より精度の高い顧客の嗜好を把握する事が出来、リピーターの数と一人あたりの単価を上げる事が出来たのでしょう。

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