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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第85話

日常で気がついたコンピテンシー。 前回のコラムで人材育成の最初のカギはコンピテンシー測定の質問力であることをお話ししました。

良いコミュニケーションを行うためには、大きく言って2つの重要なスキルがあります。一つは質問のスキルでもう一つは傾聴のスキルです。今回は質問のスキルについてお話しします。

質問には5つの目的と、7つの方法があります。5つの目的とは、『疑問』『確認』『意見・提案』『動機付け』『潤滑油』で、7つの方法とは『拡大質問』『限定質問』『深堀質問』『選択質問』『誘導質問』『ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック』『フット・イン・ザ・ドア・テクニック』です。

例えば、「あなたは部下とコミュニケーションを上手く取れていますか?」という質問をすると、大半の方から「かなりコミュニケーションの時間を取っています」という答えが返ってきます。そこでどのようにコミュニケーションを取っているか訊くと、「仕事は上手くいっているか?」「お客さんのところには週に1回は顔を出しているか?」「この商品の説明はすでに終わったか?」など、相手が「はい」或いは「いいえ」で答えられる質問が多いようです。このような質問を『限定質問』といいます。『限定質問』は『確認』のための質問方法で非常に重要な質問ですが、聞く対象をあるところに限定してしまう為、それ以外で本人が持っている情報を制限してしまう恐れがあります。これに対して、前回お話しした5W1H(誰が、どこで、いつ、何を、どのようにして、何故)を用いる質問を『拡大質問』といいます。『拡大質問』は相手が答える際に、一度、頭の中をかき回して、記憶を引っ張り出してくる為に、質問者が予想もしていなかったことが引き出すことが出来る時もあります。良いコミュニケーションを取る為には、まず、『拡大質問』により出来る限り相手に考えさせて、自ら話をしてもらい、肝心な所は『限定質問』で確認をしていく事が重要なのです。

 

本日のキーワード : 良いコミュニケーションは『拡大質問』と『限定質問』の使い分け

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