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AHPコンピテンシーコラム第96話

靖 伊藤

日常で気がついたコンピテンシー。前回はその日に起こった事を書きとめる重要性についてお話をしました。今回はこの振り返りを考えてみたいと思います。

日報と言っても色々な形式がありますが、私は時間日報を付けています。つまり、物事を始める前に、必ず開始時刻を確かめ、それを記録すると共に、終了時刻も同じように記録して行くことです。この方法を取っているのは、詳細に自分の行なった事とその為の行動を思い出す事ができるからです。時間日報に記録する項目は、開始時刻と終了時刻の他には、要件、活動内容、概要、面談者/対応者、つまり誰と、或いは誰に対してそれを行なったか等を記録します。例えば、お客様に電話をかけて打合せを行なった場合は、対応者がお客様で、活動内容は電話打合せ、要件としてその時のテーマを書き、概要として、話したり行ったりした内容とその結果を記録します。そして、最後に備考として、自分として感じた事を書く場合もあります。書く場合もあると申し上げたのは、日報作成等個人の細かな作業でこの必要がない事もあるからです。この作業はデスクワークの際は終了する度に行ないますし、社外活動の場合はメモに残しておき、事務所に戻ると最初にこの作業を行います。私の場合は、エクセルを使って、1行で一項目としていますが、これが1日の振り返りの際に有効です。そして、1日が終了した時点で、今日1日何をしたか、それらは自分の計画と整合性はあったのか、何にどれくらいの時間を要したか、それが適正であったのか、そして、明日しなければならない事とその留意点や気付いた事を備考にメモしてパソコンを閉じます。

この振り返りは現在の仕事をするようになってからずっと継続していますが、日報はただ単に人に報告する為のものではなく、自分自身に報告することで、自分自身で新しい気付きが生まれるようになってきています。但し、これを続けられているのは、今の自分の立場が自己責任でしか成り立たないからと背景がある事も事実です。勤務者の場合に、このような気持ちを持続させる事は難しい為、それをサポートするマネジメントが必要になります。

次回は個人が行なう振り返りをどのようにマネジメントすることが必要か、そしてその時にどのような意識とスキルが必要になるかについてお話ししたいと思います。

 

 

 
 
 

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