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AHPコンピテンシーコラム第97話

靖 伊藤

前回は個人としての振り返りについてお話をしましたが、今回は個人が行なう振り返りをどのようにマネジメントすることが必要か、そしてその時にどのような意識とスキルが必要になるかについてお話ししたいと思います。

振り返りと一言で言っても色々な振り返りがあると思います。長い期間の振り返りとしては今までの人生を振り返る事もあるでしょうし、短い期間の振り返りとしては今、行なった、例えば、討議を振り返るということもあります。人と言うのは面白いもので、物事をしている時はそれに熱中しているせいか、それを行なったすぐ後でも、自分のしたことや言った事を覚えていないということが良くあります。例えば、研修や会議で何かを発言した際に、こちらが横で聴いていて、これは良い事を言っているなと感じて、「それは非常に良い事ですね」と言うと、時々、きょとんとした顔をして、「え、何がですか?」と聞き返されることがあります。これは自分が言った事を覚えていないのではなく、自分としてはそれが当たり前のことで、無意識に行なっていたり、話していたりするからです。このように無意識に良い言動が取れる事は良い事ですが、意識していないことで、必ずしも継続されない事が多々あります。無意識に行なっている言動を意識することでこれらを継続させる事が可能になり、意識をするために振り返りが必要になります。ところが、この振り返りと言う行動は意外とパワーが必要で、一人でやっていると、途中で息切れを起こしてしまい、止めてしまう傾向があります。そこで、これをマネジメントする事が必要になるわけです。この場合のマネジメントは何も難しい事ではありません。本人が何かをし終わった後で、それに就いて傾聴し、そしてフィードバックをしてあげる事がマネジメントになります。このマネジメントを行うためには、積極的傾聴法と行動・思考ヒアリング法のスキルが必要となるのです。これらのヒアリング法につきましては、前に数回に亘ってお話をしています。

次回は、振り返りに用いる積極的傾聴法と行動・思考ヒアリング法についてお話ししたいと思います。

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