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  • 靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第98話

今回は、振り返りに用いる『積極的傾聴法』と『行動・思考ヒアリング法』についてお話ししたいと思います。『傾聴』と言う言葉を聞くとすぐに創造するのはカウンセリングではないかと思います。カウンセリングと言えば、例えば、うつ病の患者等に対して、相手から話し始めるのを待つという感覚が強いと思いますが、『積極的傾聴法』は『積極的』と言う言葉の通り、待つのではなく、こちらか積極的に相手から引き出し、それを傾聴する方法です。人は(と言うより私はと言った方が良いかもしれませんが)他人の話を聞く時、話を聞いているうちに、結論を予想してしまい、最悪の場合は、相手の話を中断してしまうことがあります。それをしてしまうと、予想した結論と異なる場合は相手の感情を傷つけてしまうことがありますし、よしんば結論が予想した通りであっても、相手はそれを自分の口で言うという行動自体が重要なので、その機会が奪われることになり、やはり傷ついたり、不満を持ったりしてしまう事があります。

『積極的傾聴法』は相手の気持ちを考慮しながら相手が心にとどめている事を開示するように仕向けて行く方法なのです。それを行なうために必要なスキルが『質問』『傾聴』『直観』『自己管理』『確認』の5つのスキルです。この内『質問』と『傾聴』の2つのスキルについては先に詳しくお話ししましたので、ここでは割愛させていただきます。

『直観』のスキルでは「考えない」「予想しない」「リードしない」と言うのが基本となります。特に、「考えない」と言うのは他人の話を聴くときは他の事を考えない事が重要です。私の事例でお話ししますと、研修等でグループ討議の後で発表をして頂く機会がありますが、その時に、時間が押していると、ついつい時計に目をやってしまいますが、その時に発表者の言葉を聴き落すことがあります。また、以前「営業同行研修」を行なった際に、同行した受講者の方が限定質問を多用する方で、お客様がそれに対して「はい」か「いいえ」の質問をしない口の重い人であったために、受講生の方は、お客様が「はい」と言うとすぐに次の質問(もちろん限定質問ですが)を考えていたため、お客様が「はい」の後、それに関する情報を話してもそれを殆ど聴いていなかったケースもありました。この場合は『質問』のスキルの問題もありますが、先ずは相手の話を聴いて、それに関連する質問して行くことが重要です。

『自己管理のスキル』は『心』『頭』『体』『時間』の4つが管理の対象です。この中で『体』には『体調』と『体勢』の2つがあります。『体調』については、体調が悪いと心や体にも悪い影響を与えますので、体調を万全とは言わないものの整えておくことが重要です。一方、『体勢』が大きな影響を与えます。先ず、話をするときに、真正面に座ると、緊張感が高くなりすぎますので、少し角度をつけたり、横に座ったりする方が良いでしょう。また、目の高さも重要な要素で、相手に影響を与える時は高いところから見下ろすように見る事が大切ですが、相手から話を聴きだす時は出来る限り、平行或いは低い位置からの目線に持っていく事を心掛ける必要があります、尚、目を見て話を聴く事は重要ですが、凝視したのではやはり相手にストレスを与え、自己開示をさせる、つまり、相手から引き出す事を困難にしますので、この点への配慮も必要となります。最も気をつけならなければならないのは腕と足で、腕組み、足組みは厳禁です。腕組みは「潜在的な抵抗のポーズ」とも言われ、相手からは自分の言っている事を拒否していると取られると考えるべきです。腕を組んでいる人の多くが「私はそんなつもりはない」とおっしゃりますが、大事なのは、その人がどう考えるかではなく、相手がどう感じるかなのです。特に役職の高い人がそのような態度を取ると、結果的に役職の低い人たちからは多くの事を引き出せなくなると考えて頂きたいと思います。

最後に、『確認のスキル』ですが、これは「過去」「現在」「将来」がキーワードになります。相手の過去の行動をしっかり把握し、現在はどう考え、将来にどのようになりたい(したい)のかを確認していくことが重要になります

次に、「行動・思考ヒアリング法」ですが、これはコンピテンシーを測定する時に使われる方法です。以前少し触れましたが、コンピテンシー測定では、話し手がその時にどのように考えてどのように行動したかという事を、6W5Hを用いた拡大質問や深堀質問で深く掘り下げていきます。このヒアリングでは、「どのように考えて、どのように行動したのか?」と言う事を相手に思い出してもらうことが重要になります。その為に、積極的傾聴法の留意点を念頭に置いた上で、「何(What)」ではなく、「どのように(How&Why)」を掘り下げていくことで、本人にもその時の自分自身の行動としこう思考を思い出してもらうと共に、こちらとしてもそれを共有していくことで、今後どのようにして行くことが良いのかを共に考えて行くことができるのです。

 

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