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過去の今月の一冊2022年

Conflicted 衝突を成果に変える方法

著 者 : イアン・レズリー氏

訳 者 : 橋本篤史氏

発 行 : 光文社

定 価 : 2,000円(税別)



Conflicted の動詞形Conflictは直訳すると“矛盾する”や”争う“となり、この名詞形であるConflictは”対立“や”衝突“と訳されます。社会生活において、対立や衝突は出来れば避けた方が良いと考えるのが普通ですが、イノベーションを起こす際に衝突は不可避のものと著者は本書で述べています。

本書では、衝突を成果に変えるための原則と原則を実行に移すために必要なツールを16章に亘り、様々な実例と共に語り掛けています。日本語訳では”方法“となっていますが、単なるノウハウ本ではない読み応えのある一書です。

アナタはなぜチェックリストを使わないのか

著 者   : アトゥール・ガワンデ氏

訳 者  : 吉田竜氏

出版社   : 晋遊舎

定 価   : ¥1,600円(税別)

 本書の著者が医師。

序章は彼の失敗談から始まっています。

医師のミスは人命に関わることで、それを回避するために、見出したチェックリストは医療とは全く異なる航空機のチェックリストでした。

本書はかなり具体的な事例が詳細に書かれているため、慣れない人には少し読みにくいところもあります。

しかしながら、後半に書かれ映画化もされた『ハドソン川の軌跡』を裏で支えたものがチェックリストであることを知った時、チェックリストの重要性を実感することができると感じた一書でした。 

エフォートレス思考

著 者  : グレッグ・マキューン氏

訳 者  : 高橋璃子氏

出版社  : かんき出版

定 価 : ¥1,600円(税別)



エフォートレス思考とは、副題にもあるように、努力を最小化して成果を最大化する思考です。

私たちは努力せずに成果を上げるより、頑張って成果を上げる方が良いと考えがちなのではないでしょうか?

しかし、もし人類がそのように考えて生活していたら、人類は生き延びていなかったと本書には記されています。

エフォートレス思考は生産性の向上に欠かせない考え方です

本書の著者は以前、このコーナーでも紹介した『エッセンシャル思考』の著者であるグレッグ・マキューン氏。

本書を読み進めると、自分自身の行動がこの思考に合致しているところとそうでないとこがあることに気付かされます。

本書の構成に沿って、まずエフォートレスな精神(思考)を理解した上でエフォートレスな行動を体現し、最終的にエフォートレスの仕組化を行うことが重要と考えた次第です。

サーバント・リーダー

著 者 : ジェームズ・ハンター氏
訳 者 : 高山祥子氏
発 行 : 海と月社
定 価 : 1,600円(税別)

『サーバント』という言葉は、日本語で最初に思いつくのは『召使い』で、リーダーとは相容れない感じがするため、『サーバント・リーダーシップ』は誤解されていることがあります。
『サーバント・リーダーシップ』という考え方は、ロバート・K・グリーンリーフが1970年代に提唱した考え方で、そのバイブルともいえる『サーバント・リーダーシップ』は530ページを超えるもので、私も2回読みましたが、なかなか手強いものでした。
本書の著者は、民間企業や軍隊、大学や教会等、色々な組織で問題を抱えた人々が修道院に集まり、元々実業界で色々な実績を収め、後にブラザーとなった教師を中心に話し合いによって、各々が持つ問題の本質を見極めていく形で進められています。その中では、自分がそこにいたら発するであろう反論がのべられており、それに対する教師の対応が正にサーバント・リーダーのそれであることも感じさせられました。
帯で資生堂名誉会長の福原義春氏が「リーダーシップのあらゆる原理をこんなにわかりやすく書いた本に初めて出合った」と書かれているように、私の中でもサーバント・リーダーシップが明確になった一冊です。

セレンディピティ 点をつなぐ力

著 者 : クリスチャン・ブッシュ氏

訳 者 : 土方奈美氏

発 行 : 東洋経済新報社

定 価 : 2,000円(税別)



目標を立ててそれを達成するための計画を立てて実行してもうまくいかないこともあれば、

思ってもみない成功に出会うこともあります。そして、後者については「私は運が良かった」とという言葉で済ましていることが多いのではないでしょうか?

セレンディピティは本書では『予想外の事態で積極的な判断がもたらした思いがけない幸運な結果』と定義しています。まさに前述の後者に当たるものです。

このセレンディピティは単なる運ではなく、本人の心がけ次第で繰り返し手にすることが出来るもので、自分の人生を振り返ってみると思い当たることが多々あります。

本書はセレンディピティ単なる幸運とセレンディピティとの違いやセレンディピティの妨げになるバイアスについて様々な事例を挙げて述べると共に、セレンディピティを引き寄せるためになすべきことが記されています。

400ページ弱とかなり読みでがありますが、運を効果的に引き寄せたいと考える人(多分多くの人がそうだと思いますが)必読の一緒です。

プレゼント

著 者 : スペンサー・ジョンソン氏
訳 者 : 門田美鈴氏
発 行 : 扶桑社
定 価 : 1,000円(税別)

著者は『チーズはどこへ消えた?』で有名なスペンサー・ジョンソン氏。
彼は5年前に亡くなりましたが、色々な心に残る書籍を残しています。
本書は、今日をよりよく生きるために“プレゼント”について。
私もついつい先のことを考えすぎてしまう現在(いま)を疎かにしていることを
本書は思い出させてくれました。

メタ思考トレーニング

著 者 : 細谷功氏

発 行 : PHPビジネス新書

定 価 : 870円(税別)



最近メタという言葉をよく聞きます。本書のテーマは『メタ思考』。『メタ思考』とは「あるものを一つ上の視点から客観的に見てみる」こととのことです。これを読んで気が付いたのは、問題解決の際に、問題の直接の解決策を考えるのではなく、問題があることでどのような真の問題が生じているかということを考えることでした。

『メタ思考』で大切になるのは『Why型思考』と『アナロジー思考』。本書では、この2つの思考が演習形式で綴られ、それを解いていくことで、様々な気付きを得ることができます。

問題解決を求められるビジネスマン、必読の一冊です。

哲学はこう使う

著 者   : 堀越耀介氏

出版社   : 実業の日本社

定 価   : ¥1,500円(税別)

 本書に出会う前、厳密に言うと、本書の著者に出会う前は、哲学とビジネスの繋がりなど考えたこともありませんでした。

本書の著者と出会った、と言ってもPMIジャパンフェスタでセミナーを聴いた訳ですが、哲学とビジネスの繋がりを明確に認識することができ、自分自身が知らず知らずのうちに哲学的思考を使っていることに気付かされました。

本書は、帯に書かれていますように、『問題解決に効く哲学「超」入門』の書です。ビジネスリーダー必読の書と言えるのではないでしょうか?

夢をかなえるゾウ0

著 者 : 水野敬也氏
発 行 : 文芸社
定 価 : 1,680円(税別)

久しぶりに出ました『夢をかなえるゾウ』の第5弾。
就職活動の面接や会社の業務面接などにおいて、夢について訊かれることがあり、夢がないと人間として『駄目』の烙印を押されるようなケースがあります。
今回は『夢』がテーマ。帯にもありますように、「夢とは何か?」、「夢は本当に必要か?」を解き明かしていきます。その中で、ガネーシャから主人公に課せられる課題は私にも当てはまるものばかりです。
人生を振り返る際に必読の一緒です。

言いかえ図鑑

著 者 : 大野萌子氏

発 行 : サンマーク出版

定 価 : 1,400円(税別)



言葉は諸刃の剣。何気なく使った言葉が相手を大きく傷つけてしまったり、パワハラにまで進展してしまったりすることがあります。

本書の著者は2月12日の『世界一受けたい事業』に出演した一般社団法人日本メンタルアップ支援機構の代表理事の大野萌子氏

本書は1つの「余計な一言」が2ページで誰にでもわかりやすい表現でまとめられており、読み進めていくと、自身の過去の失敗の原因が走馬灯のように蘇り、今後どのようにすべきかということを明示してくれます。

仕事のマネジメントだけでなく、子供の教育にも有効な一冊です。

運動脳

著 者 : アンデシュ・ハンセン氏
訳 者 : 御船由美子氏
発 行 : サンマーク出版
定 価 : 1,650円(税別)

脳の機能を良くすることは誰もが望むことだと思います。
今まで運動と脳の機能の関係をここまで明確にした書籍はありませんでした。
本書の著者は、スウェーデンの精神科医で『スマホ脳』の著者。
帯によると、スウェーデンでは『スマホ脳』より読まれたとのこと。
脳の機能を阻害するストレスの対策と運動との関係を明確にすることで、運動することにより創造性を高めることやうつ病や認知症の対策のヒントも得ることが出来ました。
一読の価値はある一冊です。

頭のよさとは何か

著 者 : 和田秀樹氏/中野信子氏

発 行 : プレジデント社

定 価 : 1,500円(税別)



頭の良い人とはどんな人でしょう?学歴の高い人?勉強のできる人?

仕事のできる人?色々な考えがあるでしょう。

しかしながら、仕事ができる、言い換えれば成果を上げられる人が必ずしも

学歴が高い人であったり、勉強ができる人であったりするわけでありません。

本書では和田氏と中野氏の対談形式で色々なテーマに対して、斬新な意見が

繰り出されていきます。

今後において、本当に成果を上げるために如何にあるべきかを気づかせて

くれた一冊です。

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