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靖 伊藤

AHPコンピテンシーコラム第86話

日常で気がついたコンピテンシー。 前回のコラムでは、質問のスキルについてお話ししましたので、今回は傾聴のスキルについてお話しします。

まず、「きく」には3つの「きく」があると言われています。一つ目は「耳で聞く」、二つ目は「口で訊く」、三つ目は「心で聴く」ということで、3つとも字が異なります。この中で傾聴は「(耳を)傾けて聴く」という字の如く、三つ目の「聴く」を指しています。通常、人の話をきき始めた時には「聞く」ことが多いと思います。この「聞く」は「漫然ときく」、つまり、「きこえている」状態を指します。この「聞く」を続けているうちに、興味のあることが出てくると、それについて詳しくききたいという気持ちになり、その点について、「訊く」という行動をとることになります。そして、自分が「訊いた」ことに対する答えは正に自分の関心事ですから、「聴く」事になります。よしんば、最初は相手の話している事に関心がなくても、質問する事によって、相手の話を自分の関心事に変える事が出来ます。

それでは傾聴において重要な事は何でしょうか?それはキャッチボールのように相手からの情報を受け止めることです。キャッチボールをする時、皆さんはどのように考えて、ボールを投げ、そして受けているかを考えてください。大概は相手がちゃんと受けられるように考えて、ボールを投げ、ボールを受けるときは少しぐらいそれても取ってあげようとしていると思います。コミュニケーションもこれと同じで、話を聴くときは、それが剛速球のような言葉や耳障りの悪い事であっても、無視せずに受け止め、こちらから話すときは、相手が受け入れやすい言葉で返してあげることが傾聴の極意なのです。

 

本日のキーワード : 傾聴の基本はキャッチボール


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